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2013年4月20日土曜日

ベトナム戦争は、“ロシアンルーレット”である!「ディア・ハンター」の衝撃的ラストシーン


私が大学生の時のこと、映画好きな先輩から強く勧められて、観ました。


『ディア・ハンター』(The Deer Hunter)







1978年公開、上映時間183分ですから、3時間の長編です。




マイケル・チミノ監督、そして主演はロバート・デ・ニーロ









1960年代末期、ベトナム戦争での過酷な体験が原因で心身共に深く傷を負った若き3人のベトナム帰還兵の生と死、そして3人とその仲間たちの友情を描いていた作品です。






ピッツバーグ郊外の町クレアトンの製鉄所で働く若者たち。一緒に働き、一緒に酒を飲み、そして休日には「鹿狩り」にでかける-


はじめのうちは、スローテンポで物語は進んでいきます。


やがて、一人また一人と、徴兵され、戦地ベトナムへ-





舞台は一転、ベトナム戦争という、激しい戦いの場面に変わると、ラストシーンまで手に汗握るものすごいストーリー展開になっていきます。





日増しに泥沼化するベトナム戦争。アメリカから遠い異国の地で、

若者たちは、一体、何のために戦っているのか?

そんな自問自答のような、もどかしい感情が湧き上がってなりません。


そして、壮絶なラストシーン、この場面は、おそらく一生、忘れられないでしょう。







皆さんは、「ロシアンルーレット」というのを、御存じでしょうか。









ロシアンルーレット(Russian roulette)は、リボルバー式拳銃に一発だけ実包(弾薬)を装填し、適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引くという、世にも恐ろしいゲームです。



『ディア・ハンター』には、ベトナム兵の捕虜になった主人公たちが、強制的にロシアンルーレットをやらされる場面が数回、出てきます。



「カチッ」・・・・・・「カチッ」・・・・息をのむ極度の緊迫、ちょっと心臓の弱い方は観ない方がよいかもしれません。


いつ拳銃が火を噴くか、予測不能の、文字通り「生きるか死ぬか」のルーレット!



世の中にギャンブル、賭け事というのは多々ありますが、これほど身の毛もよだつようなゲームはありません。






そもそも、名前の通りロシアが発祥の地とされ、「帝政ロシア軍で行われていた」、あるいは「囚人が看守に強要されたゲーム」だと言われていますが、確証は無く、実際にはほとんど行われていないそうです。






ではなぜ、この映画の中で、あまりにも強烈なインパクトのある、ロシアンルーレットを、何度も登場させたのでしょうか?




これは、私の推測ですが、マイケル・チミノ監督は、「ロシアンルーレット」を通して、


「ベトナム戦争」は、「ロシアンルーレット」のような、
とてつもなくばかげた、とてつもなく恐ろしい

“危険な賭け”

“常軌を逸したゲーム”である---


と、訴えたかったのではないでしょうか。









戦争ほど悲惨なものはない。

戦争ほど愚かなものはない--



映画「ディア・ハンター」には、そんな強いメッセージが込められています。







◆受賞歴◆



第51回アカデミー賞 受賞・・・作品賞/監督賞/助演男優賞/音響賞/編集賞
 ノミネート・・・主演男優賞/助演女優賞/脚本賞/撮影賞

第33回英国アカデミー賞 受賞・・・撮影賞/編集賞
 ノミネート・・・作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/助演男優賞/助演女優賞

第36回ゴールデングローブ賞 監督賞
 第44回ニューヨーク映画批評家協会賞 作品賞/助演男優賞
 第13回全米映画批評家協会賞 助演女優賞
 第4回ロサンゼルス映画批評家協会賞 監督賞
 第53回キネマ旬報ベスト・テン 委員選出外国語映画部門第3
    読者選出外国語映画部門第1位
 第22回ブルーリボン賞 外国作品賞
 第3回日本アカデミー賞 最優秀外国作品賞



2013年4月17日水曜日

それでも指は動く!『戦場のピアニスト』に響く魂の旋律


 人類史の中で最も忌まわしい、目をそむけたくなるような、悲劇--



それは、ホロコースト


ナチス・ヒトラーがユダヤ人を大量虐殺した、おそるべき大事件である。


この迫害の嵐を生き延びた映画監督がいる。






ポーランドの映画監督、



ロマン・ポランスキー(Roman Polanski )だ。











ユダヤ教徒のポーランド人の父親とカトリック教徒でロシア生まれのポーランド人の母親の間にフランスの首都のパリで生まれる。

第二次世界大戦時はドイツがクラクフに作ったユダヤ人ゲットーに押し込められた。

ゲットーのユダヤ人が一斉に逮捕される直前、父親はゲットーの有刺鉄線を切って穴を作り、そこから息子を逃がした。


父母はドイツ人に別々に連行された。


母親はアウシュビッツでドイツ人に虐殺された。


父親はドイツ人により採石場で強制労働をさせられた。



そしてポランスキー自身も、ドイツに占領されたフランスのヴィシー政権下における「ユダヤ人狩り」から逃れるため転々と逃亡した。この体験がポランスキーの作品に深く影響を与えることとなった。








2002年、衝撃の映画が公開された。


『戦場のピアニスト』(原題: The Pianist)









ナチス・ドイツのポーランド侵攻以後、ワルシャワの廃墟の中を生き抜いたユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記を元にた実話の作品である。




主演は、エイドリアン・ブロディ(Adrien Brody,)。













何の罪もない、ただ音楽をこよなく愛する一人のピアニストだった主人公のシュピルマンは、ユダヤ人というだけで、家族らと引き離され、ゲットー内での強制労働に従事することを余儀なくされる。


慣れない建設労働に、彼は何度も倒れるが、やがて、決死の脱出を試みる・・・・・


そして驚くべき、感動のラストシーン







最初から最後まで一瞬も目が離せなかった。




戦争を憎み、ユダヤ人迫害を生き抜いた歴史の生き証人として、ロマン・ポランスキー監督が世に送り出した、

映画「戦場のピアニスト」--




魂が揺さぶられてならなかった。

涙がこぼれてならなかった。







この作品は、カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞した。主演のエイドリアン・ブロディはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞した。

アメリカのアカデミー賞では7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚本賞、主演男優賞の3部門で受賞。





本当に忘れえぬ名作だ。


























2013年4月6日土曜日

「戦火の勇気」-真の勇気ある姿とは-





その時の“出来事”を、証言する当事者たち。

“出来事”の大まかな内容は一致するのだが、よく聴いてみると、証言には微妙な食い違いが出てくる。


すると、真実はまさに“やぶの中”だ-




今回、御紹介する映画


「戦火の勇気」(Courage Under Fire)



は、「戦時中」に一体そこで何が起こっていたのか、なかなか真相がみえてこないだけに、観る者もあれこれ推理してしまうのだが--








舞台設定など次元は違うが、日本の映画でいえば、

有名な黒澤明の「羅生門」に似ている感じだ。




原作は芥川龍之介の短編小説 『藪の中』。




対立する複数の視点から同じ出来事を全く違う風に回想し、真実がどうだったのか観客を混乱させるという手法が用いられており、これはアメリカや中国など、多くの国の映画やフィクションに影響を与えている。









『戦火の勇気』は、1996年に製作・公開されたアメリカ映画。

出演はデンゼル・ワシントン、メグ・ライアン、ルー・ダイアモンド・フィリップス、マット・デイモンなど。








湾岸戦争中の「砂漠の嵐」作戦の最中、戦車部隊隊長のナサニエル・サーリング中佐(デンゼル・ワシントン)はクウェート領内で敵の戦車と誤認して部下であり親友のボイヤー大尉の戦車に向かって射撃命令を下し、同士討ちを犯してしまった。


戦争終結後、サーリング中佐は、良心の痛みを感じながらも、新しい仕事を始める。


それは、名誉勲章などを扱う部署で、史上初の女性名誉勲章受章者になるかもしれないカレン・ウォールデン大尉(メグ・ライアン)の調査だった。


 彼女は医療ヘリに乗り、勇敢に戦って負傷兵を救助した軍人として候補に挙がっているのだ。史上初の女性名誉勲章受章者と言う事で軍にとって最良の宣伝材料になると考えていたペンタゴンは彼女に授与する事に大乗り気だったが、調査を始めてすぐにサーリング中佐は不可解な点に気付かざるを得なかった--





「うーん、一体、誰の話が“真実”なんだ?」

この映画を観た人の誰もが、こうした疑問を抱き、じれったくてたまらないけど、なんだかワクワク、ドキドキしてしまうのではないか。


後半からラストに向かっていくと、次々と明らかになる真相に、映画の醍醐味をたっぷり感じさせてくれる作品だ。



 
 そして最後の場面で、本当の「戦火の勇気」とは何かを教えられるのだ。


真の「戦火の勇気」とは、単に猪突猛進、勇猛果敢に戦うことではなく、絶対に“真実”から目をそむけない生き方だ。





自身にとって、とてつもないダメージのある失敗や、不名誉な出来事であっても、決して逃げずに、真正面から見つめ、謙虚に、まっすぐに行動するということ-


そんなことを学ばせてくれる映画だった。











 




2013年4月1日月曜日

“本物”だからこそ、この映画は凄い!「ネイビーシールズ」


 リアルな、あまりにリアル過ぎて、観る者を震わせる-


昨年、大きな話題を呼んだ


映画「ネイビーシールズ」



は、製作された物語というよりも、今現実に任務を遂行している、

超リアルな現実を忠実に記録した、


ドキュメンタリー


という感じがしました。






そもそも、「ネイビーシールズ」とは何か?



Navy SEALs(ネイビーシールズ、正式名称はUnited States Navy SEALs)とは、アメリカ海軍の特殊部隊である。アメリカ海軍特殊戦コマンドの管轄部隊であり、現在2つの特殊戦グループ、8つのチームに分かれて編成されている。



SEALsという名称は、SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)と、陸海空のアルファベットの頭文字から取られており、アザラシ(海豹 英語でSeal)を掛けたものでもある。その名の通り陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力を持つ。







私も名前ぐらいは知っていましたが、かれらの任務がいかに過酷で、凄まじい危険を伴うミッションであるか、この映画を観て、ほんの少し感じ取ることができました。



冒頭に「リアル」という言葉を何度も使いましたが、それもそのはず、


なんと出演者はすべて現役の「ネイビーシールズ」隊員であり、出てくる兵器や戦術、すべてが、


「本物」


なんです!いやはや、「戦争映画」「ミリタリー・アクション」はたくさんあるけど、


すべて「本物」でつくった映画が果たして今まであったでしょうか☆



それだけでも、みる価値はあります。




≪ストーリー≫


 南米の麻薬王クリストと東南アジアの国際テロリスト、アブ・ジャバールとの関係を探るべく、医師を装ってコスタリカに潜入したCIAの女性エージェント、モラレスが何者かに拉致されてしまう。


 すぐさまネイビーシールズのローク大尉率いる“チーム7”がモラレス奪還に急行。そして鮮やかに任務を遂行し、みごとモラレスの救出に成功する。


 ところが、その過程でアメリカを標的にした大規模なテロ計画が判明。ネイビーシールズは、史上最大規模のテロを阻止するため、再び行動を開始する--










まだ観ていない人のために、これ以上、ストーリーについては書かないことにします。



一点だけ、鑑賞した私自身の心に強くインパクトを与えたものを最後に記したい。



それは、



 世界最強の「ネイビーシールズ」隊員といえども、みんな大切な家族がいて、
撃たれれば血を流し、怪我を負い、悪ければ命を落としてしまう、

「生身の人間」

であるということです。




 愛する妻と別れ、まもなく生まれてくる予定のわが子にも対面できず、


ただひたむきに、自分の「仕事」をやり遂げようと挑み続ける男たち-



 彼らのたぐいまれな勇気と誇りと信念には、


心から敬意を表したいと、強く訴えたいです。





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