2013年4月17日水曜日

それでも指は動く!『戦場のピアニスト』に響く魂の旋律


 人類史の中で最も忌まわしい、目をそむけたくなるような、悲劇--



それは、ホロコースト


ナチス・ヒトラーがユダヤ人を大量虐殺した、おそるべき大事件である。


この迫害の嵐を生き延びた映画監督がいる。






ポーランドの映画監督、



ロマン・ポランスキー(Roman Polanski )だ。











ユダヤ教徒のポーランド人の父親とカトリック教徒でロシア生まれのポーランド人の母親の間にフランスの首都のパリで生まれる。

第二次世界大戦時はドイツがクラクフに作ったユダヤ人ゲットーに押し込められた。

ゲットーのユダヤ人が一斉に逮捕される直前、父親はゲットーの有刺鉄線を切って穴を作り、そこから息子を逃がした。


父母はドイツ人に別々に連行された。


母親はアウシュビッツでドイツ人に虐殺された。


父親はドイツ人により採石場で強制労働をさせられた。



そしてポランスキー自身も、ドイツに占領されたフランスのヴィシー政権下における「ユダヤ人狩り」から逃れるため転々と逃亡した。この体験がポランスキーの作品に深く影響を与えることとなった。








2002年、衝撃の映画が公開された。


『戦場のピアニスト』(原題: The Pianist)









ナチス・ドイツのポーランド侵攻以後、ワルシャワの廃墟の中を生き抜いたユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記を元にた実話の作品である。




主演は、エイドリアン・ブロディ(Adrien Brody,)。













何の罪もない、ただ音楽をこよなく愛する一人のピアニストだった主人公のシュピルマンは、ユダヤ人というだけで、家族らと引き離され、ゲットー内での強制労働に従事することを余儀なくされる。


慣れない建設労働に、彼は何度も倒れるが、やがて、決死の脱出を試みる・・・・・


そして驚くべき、感動のラストシーン







最初から最後まで一瞬も目が離せなかった。




戦争を憎み、ユダヤ人迫害を生き抜いた歴史の生き証人として、ロマン・ポランスキー監督が世に送り出した、

映画「戦場のピアニスト」--




魂が揺さぶられてならなかった。

涙がこぼれてならなかった。







この作品は、カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞した。主演のエイドリアン・ブロディはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞した。

アメリカのアカデミー賞では7部門にノミネートされ、うち監督賞、脚本賞、主演男優賞の3部門で受賞。





本当に忘れえぬ名作だ。