2013年3月23日土曜日

四日間の奇蹟 ~サヴァン症候群の少女がある日~

昨夜、前から観たかった映画「四日間の奇蹟」をDVDで観ました。






興味を持ったのは、映画の舞台が、

私の故郷・山口県の角島(つのしま)だったからです。







マリンブルーの海に浮かぶ小さな島ですが、本土からものすごく長い橋がかかり、橋を車で走ると、まるで海の上を走っているかのような、すばらしいロケーションです。



物語は-----

新進ピアニストとして将来を嘱望視されていた如月(きさらぎ)敬輔は、留学先のオーストリアで強盗事件に巻き込まれた少女をかばい、薬指を失ってしまう。


両親を失った知的障害の少女・楠本千織(ちおり)を引き取った敬輔は、

彼女の※サヴァン症候群による優れたピアノの才能を見出し、

彼女と各地を演奏して廻ることとなる。




あるとき、角島にある療養センターで敬輔たちは、敬輔の高校時代の後輩だった岩村真理子と出会う。離婚・自殺未遂という辛い過去を持つ真理子と親しくなっていく敬輔・千織だったが、落雷による事故に巻き込まれて真理子は意識不明の重傷を負う。





そして「奇蹟」が生まれる。



なんと、その真理子の心が千織の体に宿るのだ!




真理子に与えられた期間は4日間。最期の時が来るまで真理子は<敬輔と共に自分の人生を見つめ直していくこととなる・・・・・



人間は誰もが、いつかは「死」を迎える。その「死」を人間はどのように受け止められるか---「生」とは何か、「死」とは何か、そして何よりも、「自己犠牲から得られるものは何か」ということを考えさせられる、感動の名作だと思った。



映画の中で心に響いた言葉があった。




「奇蹟」なんて最も信じることのできないタイプの医師(西田敏行)が、植物状態の妻のベッドの上で、しみじみと語る。



「俺は科学者として『奇跡』を肯定するわけにはいかない(趣意)」



「だけどな、今までの医師としての人生の中で何度か、『奇蹟』として思えない事があった」





「“信じる”ということは、人間の脳が持つ、偉大な力の一つだ・・・・」








真理子の死後、如月(きさらぎ)敬輔は、再びピアノの前に。動かない薬指の手に、少女・千織の小さな手が重なる。



そして、青年と少女は、2人でひとつになってピアノを弾きつづける------







※サヴァン症候群(サヴァンしょうこうぐん、savant syndrome)とは、知的障害のある者の うち、ごく特定の分野に限って、優れた能力を発揮する者の症状を指す。 

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