2013年4月10日水曜日

予測できない衝撃のラスト! 『ブラック・スワン』(原題: Black Swan)




2011年、彼女はついに、アカデミー賞 主演女優賞に輝いた。


その作品は

 『ブラック・スワン』(原題: Black Swan)









彼女とは、今、最も注目されているハリウッド女優、



ナタリー・ポートマン(Natalie Portman,)





彼女が映画デビューしたのは、10歳の時、あのリュック・ベッソン監督の『レオン』で、ヒロインの少女マチルダ役を演じた。


以前、このブログで紹介したが、「レオン」は私の大のお気に入り作品だ。


まだ10歳というのに、観客を惹きこまずにおかない名演技をしたナタリー・ポートマン。









天才的ともいえる素晴らしい才能の持ち主だ。



少女から大人の女性になった彼女を、世界中に知らしめた作品は、御存じ、




「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(シスの復讐まで3作)☆、
 Star Wars Episode I: The Phantom Menace



アナキン・スカイウォーカーの恋人、パドメ・アミダラ役だ。







この映画を観ると、ナタリー・ポートマンの演技力がずば抜けていることがわかる。




『ブラック・スワン』は、バレエ『白鳥の湖』の主演に抜擢され、潔白なホワイト・スワンと官能的なブラック・スワンの二つを演じることになったバレリーナが、プレッシャーなどによって徐々に精神を壊してゆくサイコ・サスペンス映画。





この物語、最初から最後まで、絶対に目が離せない。そして、誰もが想像できないような、驚くべきラストシーン、まだ観ていない方には、二重丸がつくほどの、おすすめ映画だ。



ネタバレになるので、ストーリーは省略するが、この作品、実に人間の奥底にある精神性を、「バレエ」という手法で見事に表現している。







主人公のバレリーナ、ニナは、「白鳥」と「黒鳥」という2つの相反するスワンを体現しなければならなかった。


「白鳥=ホワイトスワン」は、高潔にして清新な“善性”、

「黒鳥=ブラックスワン」は、退廃的でふしだらな“悪性”

を表そうとしているようだ。



真面目で一途な努力家のニナは、「白鳥=ホワイトスワン」は完璧に踊れるが、「黒鳥=ブラックスワン」はどうしてもうまく踊れない。苦悩と葛藤が続き、やがて彼女は究極の完璧な踊りをみせるのだが・・・・・





人間の生命には、善と悪が共存している--これは仏教で説かれる生命哲学だ。

善人とか、悪人とかよく言うが、つきつめていくと、この2つの性質、誰もがどちらも兼ね備えているということだ。


別の表現にすると、人間は、


完璧な善人も、


完璧な悪人もいない-



それなのに、ニナは、どちらも完璧さを追求してしまった。


至高の芸術の高みへのあくなき欲求、そして何よりバレエ団の頂点の座を失いたくないという、ある意味での名誉欲ゆえに、なんと、恐ろしい追求の仕方だろうか!



映画『ブラック・スワン』は、観る者の胸をえぐらずにおかない、衝撃の作品である。







≪ナタリー・ポートマン(Natalie Portman,)の受賞歴≫




アカデミー賞 2011年度 主演女優賞 『ブラック・スワン』
 
ゴールデングローブ賞 2005年度 助演女優賞 『クローサー』
 2011年度 主演女優賞(ドラマ部門) 『ブラック・スワン』
 
英国アカデミー賞 2011年度 主演女優賞 『ブラック・スワン』
 
全米映画俳優組合賞 2011年度 主演女優賞 『ブラック・スワン』
 
放送映画批評家協会賞 2011年度 主演女優賞 『ブラック・スワン』
 
サターン賞 2007年度 主演女優賞(映画部門) 『Vフォー・ヴェンデッタ』
 
ナショナル・ボード・オブ・レビュー 2004年度 アンサンブル演技賞 『クローサー』